映画

ミリオンダラー・ベイビー&デンジャラス・ビューティー2

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今日はちょっと無理をして映画のはしごをして来ました。
1本目は、今年のアカデミー賞でも話題になった
イーストウッド監督の「ミリオンダラー・ベイビー」。
これは書きたいことがいっぱいあるんですが、何か書こうとすると
ストーリーに触れないわけにはいかなくなっちゃうのですよね。
でもそうするとねたバレになってしまうので、とりあえず今日は
内容に触れないように印象だけを書きますが、とにかく、
映像も脚本も俳優もすばらしいのひと言。
最初から最後までひとりとしてキャラクターに破綻がなく、
この人だったら「こうする!」「こういう事を言う!」…
という全てが納得のドラマなんですよね。
しかも見終わったあとに心に沸いてくるある種のさわやかさは、
いったい何なんでしょうか?
詳しくは、後日「映画感想備忘録」の方へ書くことに致しますが、
私としては「大人のドラマ」が見たいと思っている方にはぜひお薦めしたいと思います。

【マクノスケ】
この感想は私、マクタロウ共、ねたバレしております。
未見の方は映画をご覧になってから読むことをお薦めします。


まず私は、この映画がただのボクサーの成長物語ではないこと、
人間の尊厳死を扱っている事を、
テレビの記者会見や噂で事前に知ってしまいました。
もし知らないで見に行ったら、もっと衝撃を受けたのか…
と言えば、それは何とも言えませんが、 とにかくどちらにしても、
この重いテーマのラストを穏やかに迎えられたのは間違いないと思います。
もちろん尊厳死というものは、軽々しく扱ってはいけないテーマであり、
映画だからといって、 こういう表現が許されるのかと言えば、
それは違うことも認めます。
ただ、私はこの映画の中では「尊厳死」を素直に受け入れられたという感じです。
むしろ「死」よりも「生きる」と言うことがどんなことなのか?考えさせられました。

イーストウッド演じるフランキーは、かつての相棒であった
エディ(モーガン・フリーマン)を 失明させてしまったことをずっと後悔しています。
エディの事を思い、自分のジムで働かせ、穴の開いた靴下を見て
お金をやるから新しいのを買えと言ったりします。
しかしエディは、それでも良かったと言います。
結果傷つき倒れても「あの時自分はやれるだけのことはやった」
という自負がエディにはあったんですよね。

この話があって、結局フランキーは彼女の「誇り」を守る為に、
彼女を手に掛けるわけですが、 同時にフランキーには、
更に重い十字架を背負ってしまったことにもなるわけです。
それでも最後には「ボクシングをやめる」と言っていたデンジャーが帰って来て、
どこかへ姿を消したフランキーの事を彼の娘に宛てて手紙を書くエディの姿が描かれ、
そしてカメラはかつてフランキーがマギー(ヒラリー・スワンク)と訪れた
あの本物のレモンを 使っているレモンパイの店にズームインしていく。
「血」よりも濃い「絆」、「生」よりも「尊い死」…
すべてが逆だけれど、それもまた人生。
物語はここで終わりではなく、人生はまだまだ続くのだと言うことを
更に教えてくれるラストに、 この作品のすばらしさが凝縮されているように思います。

【マクタロウ】
本作には「人間の尊厳」「人と人との絆」という二つのテーマがあった。

「人間の尊厳」
オープニングのナレーションで語られるボクシング、ボクサーの説明に
「ボクサーは相手の尊厳を奪い取る」とある。
すでにここでテーマは提示されていたんですね。
終盤、マギー(ヒラリー・スワンク)はタイトルマッチで、
相手の卑怯なパンチにより身体不随になってしまいます。
しかし彼女は奪われた尊厳を取り戻すため、「死」を選ぶ。
もう充分生きた、観客の声が(自分の耳に)聞こえているうちに死にたい。
「死んでいるように生きていたくない」ということです。
そして、その手助けをトレーナー、マネジャーであった
フランキー(クリント・イーストウッド)に頼む。
もちろん彼は「そんな事は出来ない」と拒みます。
フランキーが教会で神父に言う「彼女は神ではなく俺に頼んでいるんだ」
というセリフが心に響く。
彼の悩みの深さがよく表れてた。

フランキーとしては、疎遠になっている実の娘
(何が原因で疎遠になったかは明らかにされないが、
彼が毎日のように送り続けている娘への手紙は、全て送り返されてくる)に加えて、
ボクシングで結ばれたもう1人の娘を亡くす事は耐え難かったでしょう。
だけど、彼はついに決心して、彼女の意思を尊重することを選択する。
安楽死を全て肯定する事は出来ないが、本作の中では納得いく展開になっており、
改めてイーストウッドの力量に驚かされた。

「人と人との絆」
自分のファイトマネーで家を買ってやれば「生活保護が受けられなくなる」と言われ、
入院してもすぐに訪ねてくるわけでもなく、挙げ句の果ては
「あなたのため」と言いながら財産の権利を奪おうとするマギーの家族。
父から送られてくる手紙を開封もせず送り返すフランキーの娘。
それはただ「血が繋がっている」と言うだけで、「他人」とは言えない他人。
そんな繋がりより、自分が選んだ友人、
人の事を思いやる事が出来る知人の方がどんなに素晴らしい事か。
元ボクサー、今はフランキーのジムで雑用をこなすエディ(モーガン・フリーマン)と
フランキーとの「酸いも甘いも噛み分けた」関係も実に良い。

本筋では絡まないが、ジムの厄介者デンジャー
(最後、彼の登場にものすごく救われた想いがする)など、
登場人物に対する愛情が映像から伝わり心地よい。
この愛情のおかげだろうか。
重いテーマでありながら本作を観た後の鑑賞感は不思議と穏やかなものだった。

<追記>
前述のタイトルマッチシーン、相手の汚い反則(肘打ち)に、
思わず「おっ」と声を漏らしてしまった私。
完全に、作品にのめり込んでいました。

ミリオンダラー・ベイビー(2004)
MILLION DOLLAR BABY
メディア 映画
上映時間 133分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ムービーアイ=松竹)
初公開年月 2005/05/28
ジャンル ドラマ/スポーツ
映倫 PG-12
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド/フランキー・ダン
ヒラリー・スワンク/マギー・フィッツジェラルド
モーガン・フリーマン/エディ・“スクラップ・アイアン”・デュプリス
アンソニー・マッキー/ショーレル・ベリー
ジェイ・バルシェル/デンジャー
マイク・コルター/ビッグ・ウィリー
ブライアン・オバーン/ホーヴァク神父
マーゴ・マーティンデイル/アーリーン・フィッツジェラルド
マイケル・ペーニャ/オマー
ベニート・マルティネス/ビリーのマネージャー
ブルース・マックヴィッティ/ミッキー・マック
ネッド・アイゼンバーグ/サリー・メンドーサ
モーガン・イーストウット/トラックの少女
ルシア・ライカー/ビリー
リキ・リンドホーム/マーデル・フィッツジェラルド
マーカス・チェイト/J・D・フィッツジェラルド




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【マクノスケ】
2本目はサンドラ・ブロックの「デンジャラス・ビューティー2」を見ました。
サンドラ・ブロックが好きというのもあるんですが、実はシャトナーさん目当て!!
(出たよ!スタトレファン!)
今年は「アビエイター」のデータと言い「キングダム・オブ・ヘブン」の
ドクター・ベシアと言い、スタトレ俳優大活躍の年なんですが、
思った以上にシャトナーさんの出番があって楽しめました!
セリフもセルフパロディもあって大爆笑。
いや~、頑張ってますね。カーク船長!

で、感想はと言うと「2」としては、まあまあ健闘しているかな~と。
ちょっとサンドラ・ブロックのキャラが変わっちゃってるように見えるのが残念。
それと新しくコンビを組む黒人の女性捜査官との活躍に、
もう少し手応えが欲しかったかなあ。
たとえマンネリと言われても、たとえば、ハートが新しいパートナー(男)に
ちょっと惚れちゃって、事件解決後、最後は振られる…
みたいな「寅さん」的な展開の方がおもしろかったかも。

ところで聞くところによると、主演のサンドラ・ブロックは
「ミリオンダラー・ベイビー」でヒラリー・スワンクが演じた役を
オファーされていたのに断ったんだとか。
こうやって続けて見てみると、やっぱりヒラリー・スワンクで
正解だったんじゃないかなあと、つくづく思ってしまったりして。
サンドラ・ブロックがやったら、どうしてもインテリなところが
出ちゃったんじゃないかと思うんですよねえ。
しかし、ハードでしたが、良い2本立てでした!

【マクタロウ】
サンドラ・ブロック最高のはまり役シリーズ第2弾。
前作は爆笑させてもらったが、本作は爆笑にまでは至らず残念。
まずキャラクターが一貫してないかなと。
ハート(サンドラ・ブロック)は現場第一、FBIの顔なんて
嫌々やっているんじゃないのかな、と思いきや
結構本気でスケジュールをこなしていたりして、
ちょいと?ですな(失恋の為ってのが一応理由ではあるけどイマイチ説得力無し)。

「2」ということで新しいキャラクター登場となるんですが、
これは新キャラクターの説明に時間を取られ、主人公が
かすむ事がよくありまして、本作もややその傾向にあります。
またそのキャラクターが主人公とかぶる「ガサツ女系」だから、なおさら。
同じ新キャラでもヘアメークのお兄さんなんかは良い味出していたんだけどね。

まあ、そこそこ笑えたし、細かい事言わなきゃ楽しむ事は出来ました。
「2」モノとしては並でしょうか。

デンジャラス・ビューティー2(2005)
MISS CONGENIALITY 2: ARMED & FABULOUS
メディア 映画
上映時間 115分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ワーナー)
初公開年月 2005/05/21
ジャンル コメディ
美人道2005
今度は、セレブ界がデンジャラス!

監督:ジョン・パスキン
出演:サンドラ・ブロック/グレイシー・ハート
レジーナ・キング/サム・フラー
ウィリアム・シャトナー/スタン・フィールズ
ヘザー・バーンズ/シェリル
アーニー・ハドソン/マクドナルド
ディードリック・ベーダー/ジョエル
エンリケ・ムルシアーノ/ジェフ・フォアマン
トリート・ウィリアムズ/コリンズ



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Comments 2

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A

それはクリント・イーストウッドらしくない選択
ですね。誰がオファーしたんでしょうか?
サンドラ・ブロックはイーストウッド映画には
合いません。いぶし銀のような玄人好みの女優じゃ
ないから。ヒラリー・スワンクで正解です。

マクノスケ

おっ!Aさん、キャスティングディレクターみたいね。(笑)
サンドラ・ブロックもやればそれなりに出来たとは思うけど、
粗野な感じが出なかったかなあ。
まあ、私もヒラリー・スワンクで正解とは思うよ。

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    2005.06.12 (Sun) 23:53 | 映画VS氣志團&タイガー