映画

立喰師列伝

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 マクノスケ

蕎麦屋やファーストフード店で代金を払わずにいかに食すかを
生業にしている伝説の「立喰師」のテクニックを(あくまでも事実を元にした)
似非昭和史と共に語る「イノセンス」「甲殻機動隊」の押井守監督の
ドキュメンタリーアニメ!

手法は、実際の人物の写真を3DCGに加工し、アニメとして動かす独自の技法
「スーパーライブメーション」で、見た感じはパタパタアニメのようなのですが、
これがですねー。動かない時は果てしなく動かないのですよー。
そこに怒濤の押井語(むずかしい言葉を必要以上に駆使して
嵐の如く語り倒す!)が、これでもかと挿入され、
思った以上に見る人を選ぶ映画になっていて、
「押井さん、よくぞ、ここまで自分の趣味を押し通した!」と…
ファンならウハウハ…、知らないで見た人にとってこれ以上の不幸はないという…
映画になっておりました。

まあね。ファンと呼ぶには作品を見ていない私ですけど、
押井さんの事が好きで良かったかなーと。(笑)
なんかこう…映画を楽しむって言うより、押井さんの趣味(愚痴?)を
黙って聞いてあげる聞き手である自分という立場に
陶酔しつつ(…って、おたくってこと?)、
全編、語り続けの山ちゃん(山寺宏一)のトークに惚れ惚れし、
ロッテリアのシーンでハンバーガー100個注文する役で出ている
音楽の川井憲次さんとその川井さんの音楽を堪能してきました。
(出だしからいつもの川井さんで笑っちゃいましたけど、
チューカラーのインドの立喰師のシーンで流れるインド風な曲が新鮮でした。)
んー、でも、DVDを買いたくなるような作品ではなかったかなあ。
(とどのつまり…押井信者じゃないって事デスね…私。)

 マクタロウ

押井守が創り出した「立喰師」とは、
平たく言えば無銭飲食を生業とする者達のことである。
本作はその「立喰師」達の伝説にメスを入れ、
分析するという、論文形式で展開されていく。

終戦直後、闇市のそば屋に現れた説教強盗のような「月見の銀二」から、
60年安保、高度成長期までの立喰師が、それぞれが技と誇りを持って
立喰に臨んでいたのに対し、ファーストフードの時代(バブル期)に至ると
集団で店を襲撃、徹底的に食い尽くす様は正にその時代の象徴と言えよう
(チェーン店への攻撃は大量消費時代への反撃ともとれるだろう)。
やがてバブルの崩壊はアイデンティティの喪失をも招き、
この時代の立喰師はデ○○○ーランドを夢想したり、
インド人になりすますなど、本来の自分とは違う立ち位置から立喰を行い、
あたかもその行為が「自分探し」であったかのように描かれる。
そう。この作品は各時代に現れた「立喰師」を描くことによって
「時代」を切り取って見せる、押井守による押井守的戦後史、日本人感なのである。
映像はデジタル紙芝居とでも言える、デジタル化した静止画像を繋いで
アニメーションのように見せる手法である。
それは物語同様、私的であり実験的である。
その映像に「押井守的回りくどいナレーション」が付くのである。
この「押井守的回りくどいナレーション」を楽しめる感性の持ち主と、
動かない場面は徹底的に動かない映像に耐えられる方、
押井守の世界にドップリ浸かってみたいという方にはオススメの作品だろう。
私は「終盤辛かった」事を告白しておく。

立喰師列伝(2006)
メディア 映画 Anime
上映時間 104分
製作国 日本
公開情報 劇場公開(東北新社=Production I.G)
初公開年月 2006/04/08
ジャンル コメディ
衝撃の新感覚アニメーション

やばい。
ヤツは立喰いのプロだ…!

監督:押井守
アニメーション制作: Production I.G
演出:西久保利彦
企画:石川光久
エグゼクティブプロデューサー:渡辺繁 安永義郎
二宮清隆 奥田誠治
原作:押井守
脚本:押井守
撮影:坂崎恵一
音響監督:若林和弘
音楽:川井憲次
ビジュアルエフェクト: 江面久

出演:吉祥寺怪人 月見の銀二
兵藤まこ ケツネコロッケのお銀
石川光久 哭きの犬丸
川井憲次 ハンバーガーの哲
河森正治 中辛のサブ
樋口真嗣 牛丼の牛五郎
寺田克也 フランクフルトの辰
鈴木敏夫 冷やしタヌキの政
品田冬樹 品田徳満
神山健治 店長・神山
声の出演: 山寺宏一
榊原良子


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