ロード・オブ・ウォー

小田原のコロナワールドまで(ニコラス)ケイジくんの
「ロード・オブ・ウォー」を見に行って来ました。
いや、面白かったです!ロシア移民で不正に武器輸出を繰り返す
ケイジくんの武器商人としての生き様…と言うより日常をさりげなーく時には
ユーモラスに描いて行くのですが、テーマはかなりハード!
でもこういった問題点をさらっと描いていく手腕は
さすが「ガタカ」のアンドリュー・ニコル監督ですね。
(「ターミナル」や「トゥルーマン・ショー」の脚本も書いています。)
ロシアなどから不正に手に入れた銃器をアフリカやアラブの政府関係筋に
売りさばいたお金で、家庭や親兄弟の愛を得ていく主人公ユーリ。
自分が売った銃で何人人が死のうが全然お構いなし。
自分は銃を売っているだけで直接人は殺していないと言う理屈です。
見る側としては、すごく腹が立つタイプなんですけど、
それをむしろ愛すべきキャラとして演じているケイジくんも、はっきり言って魅力的です。
見ているこちらとしては、そういう人の末路が一番の楽しみだったりするわけなんですが、
こ、このラストは…!!!
うーむー。深い!
あーぁ、でも何もしていない私も同罪なのか…とも思ってしましました。
ケイジくんの弟を演じているジャレッド・レトとインターポールの刑事を演じる
イーサン・ホーク、大物の武器商人を演じるイアン・ホルム…共演陣も光っていました。
ケイジくんの奥さん役のブリジット・モイナハン…
「トータル・フィアーズ」や「リクルート」「アイ,ロボット」でも見ているはずなのに
顔を覚えられないんですよねー。うーむー。どうしたもんかなあ。
向こうのポスター(画像)はケイジくんの顔が弾で描いかれていて強烈な印象!
その点日本のポスターはあまりにも直球勝負過ぎ?
まあ、それはそれで私は好きなんですけれど。
そしてオープニングでは、1発の銃弾が製造され、箱詰め、輸出、装填、人の眉間を
打ち抜くまでを描き、武器が人を殺すための工業製品であることを再確認させられた。
ニコラス・ケイジ扮する武器商人ユーリーにとって、武器はまさに商品でしかなく、
それがどのように使われようと関係がないと言う。
たとえその銃で多くの子供が命を落とそうとも。
しかし自分の子供がもっているオモチャの拳銃はゴミ箱に・・・。
自分にとって都合が悪いことは目をつぶり、利益を優先し、ヤバいことはもみ消す。
作品の最後に出るテロップで、最大の武器商人が米・英・露・仏・中であり、
それは国連常任理事国であることが示される。
そう、この作品は1人の武器商人を描いた映画ではなく、武器輸出国の実態を
1人の人間に置き換えて描いた作品だったのだ。
片方の手で食料などの援助を与え、もう片方では武器を売りさばく。
巨大な軍需産業をかかえた大国の矛盾を見事に、痛烈に描いた佳作であった。
作品の内容故、アメリカ資本は受けられなかったらしいが、自国を批判しつつ、
エンターテイメントとして作品を成立できることに、
改めてアメリカの映画文化の成熟度を感じた。
ロード・オブ・ウォー(2005)
LORD OF WAR
メディア 映画
上映時間 122分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ギャガ・コミュニケーションズ)
初公開年月 2005/12/17
ジャンル ドラマ/サスペンス/アクション
映倫 R-15
――史上最強の武器商人と呼ばれた男――
弾丸(タマ)の数だけ、
札束(カネ)が舞う――。
監督:アンドリュー・ニコル
製作:ニコラス・ケイジ
ノーマン・ゴライトリー
アンディ・グロッシュ
アンドリュー・ニコル
クリス・ロバーツ
テリー=リン・ロバートソン
フィリップ・ルスレ
脚本:アンドリュー・ニコル
出演:ニコラス・ケイジ/ユーリー・オルロフ
イーサン・ホーク/ジャック・バレンタイン
ブリジット・モイナハン/エヴァ・フォンテーン
ジャレッド・レトー /ヴィタリー・オルロフ
イアン・ホルム/シメオン・ワイズ
ドナルド・サザーランド
サミ・ロティビ
イーモン・ウォーカー
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