13 2004

マスター・アンド・コマンダー

20040313-001.jpg

【マクノスケ】
今年見た映画の中では、「指輪」がなかったら「ミスティックリバー」と、どちらを1番に選ぶか迷うところ…。
登場人物も多く、帆船用語もちんぷんかんぷんだったんですが、 大海原を行く帆船の美しさとラッセル・クロウのかっこよさに惚れ惚れ。
サプライズ号(英国)とケアロン号(フランス)の帆船同士のかけひきにワクワク。(スタトレファンにはたまらないのよ!)
艦長と乗組員たちの人間ドラマに魅せられて帰って来ました。
特に少年を子供扱いせず、ひとりの男として描いているところとドクター (=ポール・ベタニーは「ビューティフル・マインド」でラッセル・クロウが生み出した妄想の人物を演じた人) と艦長の友情と信頼関係に好感が持てました。
ところでパンフレットの高橋泰邦さん(原作の翻訳者兼本編字幕監修)によれば、タイトルの「マスター・アンド・コマンダー」は 「航海長兼海尉艦長」で、正式でない下級艦長の呼称だそう。 誰もに信頼され不敗を誇る“ラッキー・ジャック”と呼ばれる伝説の艦長が主役のタイトルに 何故このようなものがついたのか製作者の意図を計りかねるそうです。
しかしこの映画、上記キャッチコピーもそうなんですが、 予告やテレビCMで流れていた艦長と少年兵の物語…って売りはどんなもんなんでしょうかねえ。 たしかにそういう部分はありますが、全体的に見ると純然たる海洋アクション物なんですよね。 大筋はサプライズ号(英国)とケアロン号(フランス)の帆船同士の追い掛けごっこですもの。 船員だって上級士官に士官候補生、水兵に船医とちゃんと揃ってるし… なにも少年兵だけが取り残されて敵と戦わなければならなくなったわけじゃないんですよねえ。 どうも最近の「なんちゃって予告」は頂けません!


【マクタロウ】
冒頭、ランプを手に艦内を見回る男。その明かりに映し出される砲の架台に書かれた ニックネーム。
もうこの映像を観ただけで作品の密度がわかった気がする。これはイケるぞと。
やがて始まる戦闘シーンでそれは確信に変わった。
艦尾にある艦長室でさえ、戦闘中は壁板と取り払い戦闘室となることや、怪我人の手 当中、床に流れる血で滑らないように砂をまくことなど、なるほどと思わせる描写の 数々。ピーター・ウィアー監督の徹底したディテールへのこだわりは素晴らしい。
ラッセル・クロウ扮するジャック・オーブリー艦長とドクターの友情、苦悩する若き 士官候補生、水兵達などの人物描写もそつがない。
特に、冒頭の戦闘で片腕を失う最も幼く見える士官候補生の少年。彼の描き方には、 監督の思い入れが強いように感じた。
腕を切断された後、彼を見舞う艦長との会話にみる憧れ、ドクターとのエピソードに 描かれるやさしさなど。
そして戦闘前の水兵とのやりとり。味方識別のための腕章を右腕に巻くように言いな がら配る彼に、
水兵が「右腕が無いやつはどうします?」
彼は「失礼だぞ」と一言。
これだけの会話で、彼と水兵達との信頼関係がみてとれ、嬉しくなる。
艦長もドクターも水兵達も彼を子供として扱っていないのである。
階級がものをいう軍隊の中で兵を率いていくには「兵の信頼を得られるか」が重要で ある。年齢などあまり意味はない。この作品ではそのあたりのことがキッチリと描か れていた。

さて、モデラーとしては「いつかは帆船モデルを作ってみたい」と思ってしまった次 第。もちろんDVDは「買い」です。

1805年-ヨーロッパ征服を狙うナポレオンの前に多くの兵士の命が犠牲となった。 窮地に立つ英国軍が、一人の艦長のもとへ送り込んだのはまだ幼い少年たちだった…。(←ウソなんだけど…。)
監督・製作・脚本・ピーター・ウィアー「刑事ジョン・ブック」
原作・パトリック・オブライアン「ジャック・オーブリー・シリーズ」より
共同脚本・ジョン・コーリー
音楽・クリストファー・ゴードン
出演/ラッセル・クロウ ポール・ベタニー ビリー・ボイド 
ジェームズ・ダーシー
2003年ブエナビスタ(配給)
20世紀FOX・ユニバーサル・ミラマックス(製作)/139分




web拍手 by FC2 ← ポチっと押して下さると励みになります!

映画  映画館で観た映画  

14 2004

ブラザー・ベア

20040314-001.jpg

【マクノスケ】
ラストを知りたくない方は御注意を!
今回はディズニーの長編アニメ映画としては「ライオンキング」以来10年振りの動物もの。 「ライオンキング」は(全世界での)興行成績の歴代13位にランクされてるディズニー史上もっともヒットしている作品なんですが、 (ちなみに1位は「タイタニック」2位は「王の帰還」9位は「ファインディング・ニモ」) 物語の重厚さやテーマ性、作画の緻密さ、背景のこだわり…などから言っても、 やや地味ながらも「ライオンキング」を超えるものを感じて帰って来ました。
個人的にはフィル・コリンズの歌が「ターザン」に引き続き、ちょっとワンパターンに感じたのがマイナスなくらい。
(フィル・コリンズの曲は「ターザン」だけじゃなくてどの曲も似てるけど。)
物語のほとんどが「熊」の話と思いきや、主人公キナイの人間の時の話もだいぶあって 「熊の兄弟」と「人間の兄弟」のエピソードが次第にひとつとなって行き、 最後にキナイが「熊」として生きていく道を選ぶというラストに、はっきり言って驚いてしまいました! (日本のキャッチコピー…ってそういうことだったのかあ!)
いかにもディズニー的とも言えますが、あとからよく考えてみると、 サブキャラとして登場するヘラジカ(兄さんヘラジカのセリフ「ちゅき!」に大ウケ!稲田嵯裕里さんナイス翻訳!)や山羊やリスなどの動物たちもみんな兄弟で 「お互いに相手を必要としている」んですよね。そこに思いやりや信頼があって、 旅をしたキナイは更に責任というものを学んで行く…子供にはちょっとむずかしいけれど、 大人も充分に楽しめるという点では、最近のディスニーはかなり検討していると思います。
ちなみに字幕版では主人公キナイの声をホアキン・フェニックスが演じています。吹き替えでは少年隊の東がやってるようですが、 見終わったあと、マクタロウと「プラネテス」でハチマキをやっている田中一成さんがピッタリなんじゃないかという結論に達しました!(笑) キャラとしてはキナイの2番目のお兄さんデナヒがタイプなんですけどね!


【マクタロウ】
早く一人前の男として認めてもらいたいキナイ。しかし、その行動はまだ子供のまま。
自分が原因による熊との格闘で長兄を亡くした時も、非を認めず次兄の制止も聞かず、怒りの対象を熊に向ける。
熊を倒したキナイは、精霊となった兄の力で熊の姿に変えられてしまうのだが・・・。
気絶していたキナイが熊として目覚めた場面から一転、画面はビスタサイズからワイドスクリーンへ。
色彩も鮮やかに変化する。よく使われる手法ではあるが、このような演出のこだわりは観ていて嬉しいものである。
キナイはコーダという母熊とはぐれた小熊と旅を共にするのだが、 キナイは兄の死因を「モンスターに殺された」と説明する。 さすがに「熊に」とは言えず苦し紛れに出た言葉のように描かれるが、その後二人(二匹?)が壁画を見るシーンで、 このセリフが生きてくる。
壁に描かれた恐ろしげな熊と、槍を持ったヒトの姿。
コーダは言う「恐ろしいモンスターだね」そして「持っている棒も怖い」と。
この言葉に愕然とするキナイ。
人間から見れば恐ろしい熊、しかし熊も人間が怖い。相手の立場に立ってみる。 視点を変える。
他人の痛みがわかる人になる。この作品のテーマだ。
最後に、キナイは人間の姿に戻ることを捨ててコーダの面倒をみること、熊のままでいることを選択する。
もちろん贖罪の意味もあろう。しかし勇気ある選択である。
そして、ここでタイトル「ブラザー・ベアー」はダブルミーニングであることに気付く。ディズニー、やるなあ。

ぼくたちは、いつか家族になれるかもしれない-。
監督・アーロン・ブレイズ「ライオン・キング」の子供のナラのスーパーバイジング・アニメーター/ ボブ・ウォーカー「ムーラン」レイアウト監督
脚本・タブ・マーフィ/ローン・キャメロン/デヴィット・ホーゼルトン
音楽・マーク・マンシーナ「ライオン・キング」編曲「ターザン」
挿入歌・フィル・コリンズ/主題歌テイナ・ターナー
声の出演・ホアキン・フェニックス(キナイ) ジェレミー・スアレス(コーダ) マイケル・クラーク・ダンカン(タグ) D.B.スウィーニー(シトゥカ) リック・モラリス(ラット)
2003米/ブエナビスタ/85分




web拍手 by FC2 ← ポチっと押して下さると励みになります!

映画  映画館で観た映画  アニメ  

20 2004

イノセンス

20040320-001.jpg

【マクノスケ】
同じアニメながら「ドラえもん」や「ワンピース」のように1日たっぷりとやってくれない押井作品(笑)! 早起きして朝の回(10時40分)を見て来ました。(上映は1日2回で次は19:00)
「攻殻機動隊」を見ていない人は完全に置いてきぼり状態なので「入り」の事を考えると、仕方ないと言えば仕方ないのかもしれませんが…。
そういう私も「攻殻機動隊」はすっかり忘れてしまってどこまでついていけるか少々不安だったんですが、 ストーリーの点ではなんとかクリア。でも格言や詩を引用したセリフが多くて高尚すぎてよくわからないのには参りました…。 まあ引用後にちゃんと説明してくれるのでなんとか助かりましたが、 押井さん曰く「映画を見るにはそれなりの修練が必要」なんだそうで私もまだまだ甘いのかなあ…と。(笑)
しかし、私は「アヴァロン」の時には押井さんの言ってることがよくわからなくて 「それって現実逃避なんじゃないのか」と思っていたんですが、 今回これを見て「姿、形、次元に捕われない存在価値」みたいなものを感じることが出来てよかったです。 主人公バトーがこの世界で拠り所にしているものもわかって嬉しかった。
声優陣では大塚“息子”明夫さんと山ちゃん(山寺宏一さん)の豪華共演を堪能しました! いや~今回は山ちゃんの勝ちですかねえ。あの自然なトグサの演技!上手すぎです!!


【マクタロウ】
体に「電脳」を仕込み、いつでもどこからでもネットにアクセス可能となった未来。 サイボーグ技術も進み「生」の自分の肉体など、ほんの数パーセントしか残っていな い者もいる。
誰かの電脳に侵入して「虚構」を見せることさえ可能な世界。そんな時代に「人間と は?」とこの作品は問う。
ここでキーとなるのが「ゴースト」という概念。私はこれを「心」又は文字通り 「魂」ととらえている。
つまり「ゴースト」こそが「人間の証」であり、外観(外殻)はどのような形態を 持っていようとかまわないのである。
全身サイボーグとも言える主人公バトーと、事件の発端となる「ゴースト」を入れら れていたアンドロイドとの違いは無いし、「ゴースト」だけの存在となりネット上に ある少佐(本作の前編「甲殻機動隊」の主人公)さえ、その意味に置いて「人間」と 言えるのだ。
押井監督の演出は「実写映画」の様。あくまで「リアル」である(ヤクザ事務所襲撃 シーンの銃撃戦は圧巻)。ヴァーチャルを描くためのリアリティ。この方法論も作品 のテーマ故なのだろう。
画的にも、人物はセルアニメ風なのに対し、メカ(車、航空機など)は3DCGで製 作されており、実写(現実)っぽい。これも狙ってのことでしょう。
さて現実世界ではまだ、人間そっくりな(外観の)アンドロイドは実現していない が、アンドロイド=人造人間だとするならば、クローン人間はその実現最短距離に位 置する存在であろう。

イノセンス それは、いのち。
監督・脚本・押井守
プロデューサー・石川光久 鈴木敏夫
音楽・川井憲次/歌・伊藤君子
作画監督・黄瀬和哉 西尾鉄也
声の出演・大塚明夫 田中敦子 山寺宏一 大木民夫 仲野裕 竹中直人
2004/東宝/99分




web拍手 by FC2 ← ポチっと押して下さると励みになります!

映画  映画館で観た映画  アニメ  

21 2004

レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード

20040321-001.jpg

【マクノスケ】
「デスペラード」の続編…今回もバンちゃん扮するエル・マリアッチ大活躍か…と思いきや、なんだか出番が少な~い!! その代わりに何やら怪しい行動のジョニー・デップがあちらこちらに出没しておいしいところを丸々かっさらっちゃったって感じですねえ。
話の方も大統領暗殺、革命、復讐にマリアッチとCIAや元FBIなどがからみ合い、ごった煮状態。 できれば復讐劇だけに絞って、もっとバンちゃんの活躍が見たかった!
ジョニー・デップの役は、ここだと言うところに使っていただければもっと印象に残っただろうになあと思うとちと残念。
でも随所にギャグ炸裂で(後輩マリアッチが銃を抜かずに手で拳銃を真似て飛び出して、 あっと気がついてから銃を抜くシーンやガンベルトを颯爽と装着して行くジョニー・デップが手袋の左右を間違えて「おっと!」となるシーンなど)大ウケ! 製作、編集、脚本、音楽(一部既製曲あり)、監督をこなすロドリゲスってホントに映画を愛してるんだなあと感じる熱~い1作でございました。
あ…そうそうマリアッチの1人を演じたエンリケ“「ナタリ~♪」フリオの息子”イグレシアスになんだか水木“アニキ”一郎を感じてしまったのは私だけ?


【マクタロウ】
「デスペラード」に続く「エル・マリアッチ」シリーズ第3弾です。おバカ(だけど カッコイイ)ノリノリアクション満載!!
だけど今回、ちょっと話をややこしく作りすぎ&登場人物多すぎです。はっきり言っ て消化しきれていません。
また、ロドリゲス監督は「パイレーツ・オブ・カリビアン」のヒットを見てジョニー ・デップの出演シーンを増やしたそうですけど、これは完全に失敗ですね。主人公バ ンデラスの影が薄いよ。
話をもっと単純な復讐劇に絞って、アクションで押し切る潔さが欲しかったなあ。

愛だけがたったひとつの正義だった。
監督・脚本・製作・撮影・視覚効果・音楽・編集・美術・ロバート・ロドリゲス
出演・アントニオ・バンデラス ジョニー・デップ サルマ・ハエック ミッキー・ローク ウィレム・デフォー エバ・メンデス
2002米/ソニー/101分





web拍手 by FC2 ← ポチっと押して下さると励みになります!

映画  映画館で観た映画  

Designed by Akira.

Copyright © マクノスケblog All Rights Reserved.